虫歯を放置するとどうなるの？

■虫歯を放置するとどうなるの？

虫歯は、自然に治ることのない病気です。虫歯を発症したら、必ず歯科治療を受けるようにしましょう。虫歯菌に感染した歯質を削って、詰め物や被せ物で補う必要があります。そうした歯科治療を受けずに虫歯を放置すると、病態が着実に進行していきます。

 軽度から中等度の虫歯では、エナメル質と象牙質が溶けて歯の表面の穴が拡大していきます。歯の神経が収まっている歯髄腔（しずいくう）にまで細菌感染が及ぶと、歯の神経を抜かなければならなくなります。それでもなお虫歯を放置すると、歯の神経が死ぬだけではなく、歯冠もボロボロに崩壊します。さらに、歯の根の先から汚染物質が漏れ出て、大きな膿の塊を形成するようになります。これを専門的には「根尖性歯周炎（こんせんせいししゅうえん）」といいます。

 根尖性歯周炎は、歯周疾患の一種で、歯茎の腫れや痛み、排膿を伴います。症状が悪化すると、歯を抜かなければならなくなるため、早期に治療を受けることが大切です。それにも関わらず、虫歯の放置を継続すると、顎骨炎や蜂窩織炎といった重篤な病気のリスクを引き上げることにもなります。

 このように、虫歯を放置することはデメリットしかありませんので、症状に気付いた時点ですぐ歯科を受診しましょう。定期的な歯科検診やメンテナンスを受けていれば、虫歯の早期発見・早期治療が容易となります。歯はかけがえのない組織であるため、できる限り歯質を保存するよう努めましょう。